奥田エイメイ,浮遊ノススメ
重力の捏造,非対称 「重力の捏造」制作秘話   ■大阪南港ATCギャラリー   ■新工房の工事状況   とんがり帽子の水槽


  | とんがり帽子の水槽・・・ってひっくり返らないのでしょうか???
 
●とんがり帽子の水槽・・・その1
上海の郊外デパートに設置する浮遊体アートを作っています。
なんと逆円錐型(とんがり帽子を逆さにひっくり返した形)の水槽に入れてくださいとのこと。
デパートの前にどんと置いて、店の目玉にするのだとか。
作るにしてもこんな形のものは型から起さないといけないから、 とても高くつくし、それより何より、そんな不安定な形のものを作ってひっくり返らないだろうか・・・

うーんとうなっていると、じゃあ水槽は中国で作りますから、 何とかその中で浮遊体を動かしてくださいという。

想芸館では浮遊体は水槽とセットにして、 じっくり調整したものを現地で据えつけるという仕事を主にしているのだから、 本来ならこういう仕事は受けないのだけれど、

逆さまのとんがり帽子水槽のなかで、 果たして浮遊体泳ぐのか???というところに興味がわいてしまった。

現地あわせで一発勝負の調整・工事をしてきます!!




  | 一品モノで金型をぽんぽん作ってしまうなんて!
 
●とんがり帽子の水槽・・・その2
送ってきた図面をみたところ、水槽は500mmの高さに対してアクリル厚みは10mmでつけられている。

円柱ならこの高さに対しては、この厚みで十分なんだけど、 逆円錐形の場合はどうなるのか、傾斜がかかっている分、 底面との継ぎ目の部分に無理な力がかかってきそうですね・・・と依頼主に連絡したところ、

じゃあ、保険をかけて、厚み5mm増しのものも一発、作っておきますか・・・ との答えが返ってきた。

射出成型で金型をおこして作りますとのこと。

日本だと、たった1個しかつくらない水槽のために、 金型をおこすなんて、あまりに高くつくから、まず考えないのだけれど、

上海ではわりと気楽に作ってしまえるんだとか。

変わった形の水槽の試作まで気軽にできるなんて本当にうらやましい。

こないだ上海の別の仕事でも感じたことだけれど、 材料費や建設費が日本と比べて格段に安いので、思い切ったデザインがぽんぽん投入できてしまう。

そりゃ面白い町になるわな・・・

出張で行ったときには工場の見学もさせてもらえるように頼んでおきました。




  | オリンピックの輪の中で浮遊体を泳がせる???
 
●とんがり帽子の水槽・・・その3
今回の逆円錐型もそうなのだけど、海外から浮遊体の特注話がくるときは、 たいていとんでもないデザイン要求がくっついてきます。

こないだは、ロンドンから、ロンドンオリンピックのときに五色の浮遊体を作って、 五輪みたいな5つのチューブ状の水槽で泳がすことができないかという話がきた。

ソウルのホテル(ヨン様ご用達ホテルらしい・・・)ではオーバーハング気味に こちらに倒れ掛かってくる感じの斜めの水槽を作ってくれと言ってきたり。 結局これはほんとに韓国の浮遊体アートの代理店で作ってもらって、まだ元気に稼動中です。

海外からは無茶な話が来るけれど、やはりそれなりにどきどきして、 考えるのも出来たのを見るのも楽しい。

日本の場合は、どちらかというと、 やんちゃなデザインよりも安全面にしっかりお金をかけることが多いです。

万が一水が漏れたときのために、水槽の床面に、 馬鹿でかい水漏れ防止用のプールを作ったりとか。

水が漏れてしまうようなことは、まずないんですけれどね。

安全装置の方が、浮遊体アート水槽より高くついてしまったりということもあるみたいです。




  | え・・・まだできてないんですか!!!
 
●とんがり帽子の水槽・・・その4
上海に行ってきました。
とんがり帽子型の水槽ができたので、こちらから浮遊体と駆動装置を持ち込んで、実験ということで行ってきたのですが、

なんと、まだ水槽はできていなかった・・・

明日の朝までになんとか作るから、それまでに、がんがん打合せしましょうという。
どうも、今までメールと電話と図面でやり取りしていただけでは、 こちらの技術者とは、うまく伝わらないところがあったので、 僕が行って打ち合わせしてから、本格的に腰をあげるか・・・ということだったみたい・・・

上海の技術者は要点をつかんだら、 大丈夫、明日の朝までにこれから作って持ってくるよ! と言って水槽制作工場に戻っていきました。

水槽ができていないと、こちらに来て最初に聞いたときは、 えーーどうするの??という感じだったのだけれど。

実際に現場で顔を合わせて話していくと、 怠けていて遅れたというのでなくて、良いものを作るために、 いろいろ知恵出し合って、タイミングを計っていたという気もしてくる。

上海に来て、技術者達と話をしていると、いつも思うのですが、 新しい、モノを生み出していくときの熱気というか、そういうのが感じられる。

上海は熱いです!

さて、明日は本当に水槽できてくるのか???




  | 紅白歌合戦に浮遊体が・・・
 
●とんがり帽子の水槽・・・その5
朝の9時に試作の水槽が届くとのことでしたが、もう2時間くらい待ち続けています。

明日には日本に帰らないといけないのですが・・・。

でも待っているのは僕だけではなくて、水槽が到着したら作業を手伝ってくれる、こちらの事務所の人たちも一緒です。
上海のスタッフが5人ほどずっとスタンバイして待ってくれています。

打ち合わせもやりつくしたので、外の景色をぼんやり眺めたり・・・
とんがり帽子の水槽

遠くに見えるのはサッカー場とのこと。
看板は女子サッカー大会の広告です。
看板の立っているところはビルの屋上なんだけど、なんとも廃墟風なのがいい感じです。
きれいな高層ビルが建っていく中に、こういう廃墟っぽい風景のあるのが上海だなあと感じます。

やっと水槽が到着して5人のスタッフが一斉に水を汲みいれてくれました。
うーーん上海の水は色付きです・・・黄緑色に濁っている。
そう言うと、さっさと水を抜いて、どこからか浄水器を調達してくると、また水を入れなおしてくれて、
水の色はちょっとマシになりました。
本番では精製水を調達してこないといけないと思います。

後は僕の浮遊体の水流調整作業。
これが結構時間がかかるのだが、みんなよそにいかず、
僕のしている作業を、じーっと見ながら、あれこれ中国語でしゃべっている。
何を言っているのかまったくわからない。
とんがり帽子の水槽2

浮遊体が動き出すと、見物の人たちはどんどん増えて、わいわいがやがやも最高潮になりました。

今回は水槽の基本的な作動確認だけで、照明のセットや調整はまた次回することに。
水槽もやはり強度的に不安な部分がわかったので、作り方を変えて再度挑戦となりました。

なんでも、現場のデパートは、今年の中国の紅白歌合戦の会場になるのだそうで、
それまでには絶対にオープンさせないといけないらしいので、
12月の末に施工完了とのこと。
そのときには現場でもう一度立ち会うことになりました。
中国の紅白歌合戦にうちの浮遊体がうつるかもしれません・・・

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