朝日放送『newsおかえり』の「教えて!天才さん!?」でご紹介いただきました。
写真を貼り付けた筒の内側に灯を入れ、屋外で空に向けて光らせる「宇宙に狼煙を上げる」という作品を取り上げていただきました。
この作品は、宇宙に記憶を残すをテーマにしています。
「宇宙に狼煙を上げる」は、コロナパンデミックの期間中に生まれてきた作品です。
コロナの間、浮遊ファクトリーでは予定していた展覧会は延期になり、ぽっかりと時間があいてしまいました。
そして、ふと映画を作ってみようと思い、スタッフと一緒に撮影を進めてきました。
私たちのこれまでの日常を記録した映画です。水中オブジェを作り、水槽のメンテナンスに行き、壊れた水中オブジェのお墓を作り、宇宙テーマの作品を作る。
そうした日々の生活を撮影していきました。
私は映画の中で、自分が最後に作るものは何だろうという問いを立てて、考え続けてきました。
水中オブジェをはじめ、ずっとモノを相手に対話を交わして制作してきた私ですが、最後に作る作品は人をテーマにしたいと思いました。
そして、それが「宇宙に狼煙をあげる」という作品になりました。
家族との思い出の写真を筒の先に貼り付けたとても簡単な作品です。筒のなかに小さな灯りを灯すと写真はほのかに光る。映画の中では自転車の発電機の先に写真を取り付けて、野原で宇宙に向けて光らせました。この微かな光は宇宙のどこまで届くでしょうか。
はるか遠くの星が地球に届くように、光となった私たちの姿は遮るものがなければどこまでも飛び続けていきます。
もちろん、その飛んでいく姿を自分では見ることはできません。
想像の中で永遠を目指す作品です。
自分の写真だけでなく、知らない誰かの思い出の写真を、宇宙に向けて狼煙をあげるのに立ち会いたいと思うようになりました。
今回のテレビ取材では、来られたタレントさんの写真で作品を作り、そのお話を聞く様子も撮影してもいただきました。
次の展示に向けて、いろんな方の写真を募集していきたいと思っています。